抗がん剤治療で脱毛した女性にために ヘアスタイリストと考える頭皮と髪のお手入れ方法

育毛対策

抗がん剤治療で脱毛した女性のために〜育毛剤について

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日本人は生涯、ガンに罹患するリスクが高くなり、今や3人に1人とも言われています。ご自分の周囲を見回すと思い当たる方が多いのではないでしょうか?

ガンと言えば治療が辛く、治療と共に髪の毛がなくなるイメージを持つ方が多い事でしょう。

実際すでに経験された方、またはこれからガン治療に挑む方もいらっしゃる事と思います。

女性の方は特に、生涯で髪の毛が無い時期を過ごす事はない方が大半だと思いますので、とてもデリケートな問題です。

そんな方達へ、少しでもお役に立てればと思い、抗がん剤によって脱毛した場合の対処法などをまとめさせていただきます。

この記事を書いたのは?

ヘアスタイリスト
マリコ

東京で20年美容師をしておりましたヘアスタイリストのマリコと申します。

渋谷や原宿で勤務しておりましたが、お客様比率は学生さんよりもバリバリ働く世代の男性が多い美容室です。

薄毛の方や薄毛予備軍の方も多く、ヘアスタイルについて共に研究を重ねてきました。

同じ店舗で長年ヘアスタリストをしていたため、お客様の薄毛の進行や改善など、じっくりと身近で見させていただきました。

今回のように抗がん剤によって脱毛したお客さまにも寄り添い、様々な知識を教えていただきました。少しでも同じ経験をされる方のお役に立てれば幸いです。

抗がん剤による脱毛とは?

抗がん剤治療で抜けてしまった髪の毛は元に戻るの?

抗がん剤治療はどんなタイミングでどれくらい抜けるの?

これから抗がん剤治療に挑む方や、今現在治療中の方もいらっしゃると思います。

経験者の方達は「髪の毛が抜ける」とおっしゃる方が多かったですが、どのタイミングでどれくらい抜けるのか?その事を事前に知っておけば恐怖が少し和らぐのではないでしょうか?

調べてみたところ、個人差はあるもののほとんどの方が抗がん剤治療(投与開始)から2~3週間後に髪の毛が抜け始め、数日のうちにピークを向かえます。

抗がん剤の種類にもよりますが、ネット上の体験者の方たちは、抜け始めて10日ほどで全て無くなった(抜けた)とおっしゃっています。ドラマのようにハラハラと、というよりは動くたびにバサバサと落ちてゆくという方が多かったです。

抗がん剤は全ての投与が脱毛につながるのかと言えばそんなことはありません。脱毛は抗がん剤の副作用として起こりますが、使用する薬の中でも脱毛が起きにくいものもありますし、薬の組み合わせによっても変わります。

ただ、「抜ける」と言われている抗がん剤薬を使用した時は、やはり皆さん例外なく抜けますが、その後の発毛期間に個人差があると感じました。

ここがポイント!

すぐに生えてきた方となかなか生えてこなかった方。同じ薬を同量使用したとしてもその後の進み方はかなり違ってくるという印象を受けました。

抜けた後の毛穴や頭皮は?

気になるのは抜けた後はどうなるのか?また生えてくるのか?という点です。ほとんどの方が、治療後の発毛を体験しています。抗がん剤によって髪の毛が抜け落ち、一時的にツルツルになりますが、投与が終わればその後2~3ヶ月で生えてきます。

先ほど、髪が新たに生える時期に大きく個人差があると言いましたが、早い方だと投与終了から1ヶ月ほどで生えてきたという方もいらっしゃいました。

髪の毛が一気に抜け、また一気に生えてくるので頭皮にはかなりの刺激になります。

髪が抜ける時や生えてくる時、頭皮がチクチクしたりヒリヒリすると感じた方が目立ちました。

また、髪とは違いますが味覚障害感覚障害が出る方もおり、それらは副作用として報告されています。

発毛の時期は個人差がありましたが、新たに生えてきた髪の質が「以前とは違う」と感じる方がほとんどで、毛が細くなり縮れていたり、クルクルしていたりと、ほとんどの方が「くせ毛のような状態」で生えてきたとおっしゃっています。

これは、抗がん剤が髪を作る部分である毛母細胞にダメージを与えた事から起こる現象です。

毛母細胞がまだ正常に働いておらず、また一気に髪の毛が抜けた事により頭皮がたるんでしまい毛根が歪むことも原因と言われています。

ここがポイント!

これらは永遠に続くわけではなく、頭皮のハリが戻り、毛母細胞も正常に活動できるようになれば髪質も元に戻ります。

元々がくせ毛だった方の場合はストレートにはなりませんが、髪も徐々に太くしっかりとした毛質に戻りますので心配ないでしょう。

そして、脱毛を経験した方の中には、いつまで経っても新たな髪が生えてこない…という方も見られました。残念ながら、ごく稀にそのまま発毛しないケースもあるそうです。

全体の1~2割と言われていますが、使用する抗がん剤が強かったり、期間が長く、また繰り返し治療が行われるとそのような事が起こりうると言われています。

お客さまの脱毛例

ここで実際に私のお客さまの体験談をご紹介します。

1ヶ月半に1度、カットとカラーでご来店いただいていた40代女性のお客さまのお話です。

そのお客様はショートカットを長年継続されていたため、来店頻度が高く、ヘアスタイルを自由に楽しめるご職業についていたので、いつも明るく染められていました。ある時からぱたりといらっしゃらなくなったので心配していたところ、1年ほど経った頃、久しぶりのご連絡を頂きました。

ご予約の電話で話されていたのが、「抗がん剤治療ですっかり抜けてしまい、ようやく生えてきたばかりで、長さがバラバラなのでとりあえずそろえて欲しい。」という事でした。しばらくいらっしゃれなかった理由を知り、来店当日を待ちました。

1年以上ぶりのそのお客さまは、ほわほわとした黒髪で、長さがまちまちのショートでいらっしゃいました。元々超ストレートな髪質だったので、抗がん剤の強さを思い知りました。よく見ると所々白髪も混じり、髪が細く縮れているような髪質になっています。

以前のようにカラーもしたいけど、髪質がいつか戻ったら染めるということになり、初回はカットのみで帰られました。そこからはまた2ヶ月に1度ほどの来店頻度になり、さらに1年半が過ぎた頃にはそのお客さま本来の髪質に戻られたのでカラーを再開しています。

お客様談


お客さまによると、抗がん剤治療を開始してすぐに抜け始め、あっという間に丸坊主になったそうです。

しかし、治療が終わると1ヶ月くらいで産毛が生えて、そこからはぐんぐん増え続け、伸び続けたということでした。

ただ、髪が細くなりジリジリとねじれたような髪質に驚かれたそうです。その後、美容室に予約を入れた頃には、だいぶ髪に太さとハリが戻り、回復を感じたので思い切って予約のご連絡を下さったといういきさつでした。

  • お客様のその後

その後は、ある回に突然ストレートの髪が根元から生えてきていた、という事はなかったですが、ジリジリした毛先を毎回カットしていくごとに全体のまとまりが良くなっていき、クセもどんどん弱くなったので、1年が過ぎた頃にはだいぶ以前の雰囲気を取り戻していたという感じです。

元々あごラインのショートボブスタイルでしたので、抗がん剤治療を終えてから2年弱で全てが元通りになっていました。このお客さまは回復がかなり早いケースなのでは?と感じています。

脱毛中もシャンプーは使用していたそうですが、頭皮がテカテカするわりに乾燥しており、なんとなく痛かったとおっしゃっていました。

その頃から薬用で低刺激のシャンプーに変えており、生え始めのどうにもならない髪に整髪料をつけるのもためらわれたため、いつも帽子で過ごしていたそうです。現在ではすっかり回復され、また明るめのカラーを楽しまれています。

脱毛中や脱毛後のケアはどうしたらいいの?

脱毛中や脱毛後の頭皮ケアはどうしたらいいの?

実際担当したお客さまも脱毛中や脱毛後、頭皮が非常にデリケートな状態であることを実感されていました。

ここがポイント!

この時期は頭皮に刺激を与えないことが第一です。

間違ったケアをすると後に生えてくる髪の毛に悪影響を及ぼすことが考えられます。慌てず焦らず、適切なケアを心がけると良いでしょう。

ネット上でよく質問に上がっていたのが、シャンプーや育毛剤でのケア方法でした。どのようにするのが良いか、美容師目線で考えてみます。

シャンプーはする?しない?何を使ったら良いの? 

頭皮に髪の毛がないならシャンプーする必要がないのでは?

そんな疑問を抱える方が多かったのですが、頭皮は体に比べ皮脂の分泌量が多いのでシャンプーはしましょう。

脱毛させないようにとシャンプーを控えると、頭皮の衛生状態が悪化し、皮脂で毛穴がつまり毛嚢炎になることがあります。

女性の場合は特に髪がない状態をカバーするため、日常的にカツラや帽子をかぶる方がほとんどだと思いますので、特に頭皮の衛生状態が悪くなりやすいので注意が必要です。

しかしシャンプーをすると頭皮が乾燥するという方も多かったので、そんな方はお湯で流すだけでも良いと思います。

毎日シャンプーをしなくてもベタつきや匂いが気になってきた時にシャンプーをする、といった使い方が良いでしょう。

ここがポイント!

乾燥には保湿剤の使用が勧められていますが、市販のものより病院で相談した方が良いと思います。この時期はとにかくデリケートなので適当な自己判断は危険です。

シャンプーの選び方

シャンプーの選び方ですが、今まで使用していたものが違和感なく使えるなら変える必要はありません。乾燥やかゆみ、痛みを感じたら低刺激のものに変えるといった柔軟性が必要だと思います。

低刺激とは

洗浄成分がマイルドで、余分な成分が入っていないシャンプーを指します。余分な成分と考えられるのが香料、着色料、防腐剤などです。

シリコンも入っている必要がありません。防腐剤不使用のシャンプーはなかなかありませんが、含有量のなるべく少ないものを選びたいですね。

間違えがちなのが、乾燥によるかゆみを薬用シャンプー(フケやかゆみを、殺菌剤によって抑制するタイプのもの)を使用する事です。

このケースはさらなる乾燥を引き起こし、かゆみが改善されない事が多いので皮膚科を受診する事をおすすめします。

そしてオーガニック系のシャンプーも注意が必要です。今まで使用されていた方で違和感がない方は変える必要はありませんが、これから使用を考えていた方は避けた方が無難でしょう。

オーガニック系シャンプーとは

先ほど挙げた不要な成分が無添加でなおかつ「天然由来成分のエキスやオイルがたっぷり配合されていて優しく洗い上げる」タイプのシャンプーです。

一見するととても良さそうに感じますが、天然由来成分は実は不安定な要素を持っています。原材料の収穫時期、精製方法などにより成分の構成が時期によって安定しづらい傾向にあります。

また、食物アレルギーをお持ちの方は反応が出ないとも言い切れません。天然由来のオイルの含有量が比較的多く、脱毛後のむきだしになった頭皮には正直向いているとは言えないでしょう。

個人差はありますが脱毛期が終わり、髪が生えてきて1年ほど経過すれば使用を開始しても良いと思いますが、髪質や体質の変化に十分気を払いながら使用しましょう。

育毛剤は使用するべき?

髪を生やす育毛剤を使えば、早く回復できるかも?とお考えの方も多いと思いますが、抗がん剤によって脱毛した場合は「早く髪を生やしたい」というより、「健康な髪を生やすため」に使用した方が良いでしょう。

抗がん剤治療後は体が非常に敏感で不安定です。例えばそんな時に発毛を促すほどのパワーを持つ育毛剤を使用するのは危険です。

がん治療と並行してAGA治療をする方はいないと思いますが、あまりにも気になる方はがん治療がすっかり終わってからAGAのクリニックに行かれると良いでしょう。

ではそれまでの間、自宅でできるケア方法はと言うと低刺激な育毛剤を使用すると良いです。発毛を急がせるというよりは、きれいな本来の髪質に戻るために使用します。

抗がん剤治療後に髪が生えてきた方たちの大多数が「かなり強いくせ毛になった」とおっしゃっています。抗がん剤の副作用としてあげられており、その原因は先ほど申しました通り、一気に髪が抜けた事で頭皮がゆるんでしまったためと言われています。毛穴がゆがみ、ねじれて生えてくる事によってくせ毛になります。

けれど、経験者のほとんどが、時間の経過とともに本来の地毛に近い状態に戻ったと言われていました。そして、その期間はかなり長く、個人差があるものの1年半以上はかかっているようです。

生えてきた時のクセはそれぞれですが、かなりチリチリの髪質になる事もあり、先に挙げた私のお客さまも、まとまらないほどチリチリのくせ毛でした。

頭皮の緩みからそのようなくせ毛になるのですから、ゆるんだ頭皮を引き締めてあげればくせ毛は解消していきます。

このような事から、髪質を早く戻したい方には育毛剤をおすすめします。

ここがポイント!

育毛剤をつける時、頭皮マッサージをするとさらに良いでしょう。マッサージで血行が良くなりますから、栄養分も行き渡りやすくなります。きれいな髪質へ早く戻す手助けになるでしょう。

育毛剤を使い始める時期は?

育毛剤を使い始める時期は慎重に決めましょう。必ず担当の医師に相談して下さい。

育毛剤は医薬部外品なので、薬のように「治療する」というより穏やかに効き目を感じるようなサポート的成分なので、極端に身体へ影響するとは考えづらいのですが、抗がん剤治療は体へのダメージが大きく、非常にデリケートになっているのでどんな物でも刺激になりうるという事を忘れないようにしましょう。

育毛剤はまず、かかりつけの医師に相談し、抗がん剤治療が終わってから使い始めましょう。

抗がん剤で脱毛してしまった方専用の育毛剤も市販されています。数はあまり多くはないのですが、メーカーによって使い始める推奨時期が違います。

あるメーカーだと、抗がん剤投与終了後1ヶ月から使い始める育毛剤がありました。抗がん剤治療開始から2週間前後で脱毛が始まる方が多いので、これだと全て抜け落ちたら即使い始めるような事になります。

また他のメーカーは、新たな髪が生えてから3ヶ月程経過した頃から使用することをすすめていました。配合成分や濃度の違いなのでしょうが、開始時期はまちまちです。

ここがポイント!

一番大切なのは、育毛剤を使用して気分や体調が悪くならないかという事です。

早すぎる開始はリスクが高まりますが、髪が生えてきたら育毛剤を始めても良い時期だと思います。

育毛剤を選ぶ際のポイント

育毛剤はどんなものを使用したらいいの?

育毛剤を選ぶ際に気をつけたいのは、とにかく負担にならず刺激のないものを選ぶ事が重要です。

脱毛期間は頭皮が敏感になり、ヒリヒリやチクチクなど普段とは違う刺激を感じる方が多いようです。脱毛が終わっても同じような刺激が続く方も中にはいらっしゃいました。

新たな髪が生えてきたからといって、通常のように育毛剤を選ぶと頭皮が荒れてしまう可能性が高いので、とにかく「低刺激」と表記のある育毛剤を選ぶようにしましょう。

先ほども申し上げましたが、抗がん剤治療後専用の育毛剤も販売されています。

ここがポイント!

また、育毛剤には男性用、女性用と分かれている場合が多く、配合成分が大きく変わるのでそちらも忘れずにチェックしましょう。

どんな事に気をつけるべき?

メーカーによって育毛剤の内容成分が大きく変わります。発毛を促す成分が高濃度に配合されている発毛系の商品や、脱毛を防ぎ頭皮環境を良い方向に導く育毛系の商品など様々です。

抗がん剤はガン細胞だけでなく、全ての細胞の分裂を阻止する働きがあります。そのため、髪を作り出す部分である「毛母細胞」の分裂を止めるため髪が育たず抜けてしまいます。

一気に抜けた事により頭皮がゆるみ、毛穴の形が歪む事からくせ毛の形状で新しい髪が生えてくる事を考えると、頭皮を引き締める成分が配合されている育毛剤が好ましいと言えます。

ここがポイント!

また、毛母細胞に働きかける成分で、十分な栄養を含んでいる事も重要です。水分などの潤いや油分などの保湿に加え、コラーゲンも配合されているとより効果的です。

  • 頭皮マッサージ

頭皮に育毛剤を塗布する時、マッサージのように頭皮をもみほぐしながらつけると良いでしよう。

やりすぎに注意ですが、優しく指の腹で頭皮を押し、「気持ち良い」と感じるくらいの強さで刺激します。指だけでなく、手のひら全体で両側頭部を軽くはさみ、圧迫したりするのも良いでしょう。

せっかく毎日育毛剤をつけるのなら、マッサージを面倒と思わず日々の習慣にしてしまうのはいかがでしょうか?

育毛剤の気を付けたい成分は?

刺激を避ける必要があるので、アレルギーの有無にかかわらず避けたい成分を紹介します。

  • 香料
  • 着色料
  • シリコン
  • メントール成分
  • 紫外線吸収剤

これらが含まれていない育毛剤を選びましょう。この5つの成分はアレルギー性皮膚炎の報告が比較的多く、刺激を与えやすい成分です。

特に香料や着色料は刺激性が高く、化粧品の中でもトラブルの報告が多い成分なので気をつけて下さい。

  • シリコン

一時、ヘアケア製品から嫌われノンシリコン製品がちまたに溢れたのも記憶に新しいのではないでしょうか?「毛穴を塞ぐ、毛穴を詰まらせる」などと言われてきましたが、実は最近のシリコンはそこまでの悪影響はないと言われています。網目状になっているので、地肌を塞ぐことはありません。

ではなぜ避けたい成分なのか?それは、シリコンは髪の手触りを良くするために配合される成分なので、生え始めの髪には必要がない成分だからです。

髪が伸び、もつれが気になるようでしたら含有されていても悪くないと思いますが、基本的に含まれている必要性がないので避けたほうが無難といったところです。

  • パラベン

避けるべき成分にパラベンが入っていない事にお気付きの方もいらっしゃると思いますが、ここではあえて避けるべき成分としてあげませんでした。

パラペンは防腐剤として含有されています。多くの化粧品は、一度で使い切ることがないので製品の安定化をはかるため(腐らせないため)に配合されます。パラベンはアレルギー報告が多い成分でした。そのため近年ではパラベンに変わりフェノキシエタノールという成分が多く使われるようになっています。

少し前まではフェノキシエタノールは防腐効果が低く、結果的にパラベンより多く配合されてしまい、アレルギー反応を起こすと言われていましたが、現在では研究が進みフェノキシエタノールもかなり減量されています。

結局はどちらもどちら、という感想です。明らかにパラベンのアレルギーをお持ちの方は避けたほうが良いですが、アレルギーを持たない方は防腐剤の種類に神経質にならなくても問題はないと思います。

製造過程や製造場所もチェック

私個人としては、パラベンかフェノキシエタノールのどちらが含有されているかより、製造過程や製品管理の状態を気にした方が良いのではと考えております。

人気の育毛剤に海外製のものがありますが、輸入に時間がかかります。

日本とは薬事法が違うので有効成分の配合量が多く、そこが人気の理由だったりしますが、危険な商品も少なくありません。

何かあった時にサポートを受けづらい事もおすすめしない理由の1つです。

遠くから運ばれてくる際の保管状況が劣悪だったり、製造から期間がどれくらい経っているのかなどかなり未知数な点も多いです。英語が堪能な方は製品をしっかりチェックできると思いますが、そうでない方は口コミなどで安易に選ばない方が良いのではないでしょうか?

ここがポイント!

そしてより安全な製品をと考えた時、製造にあたっている工場がGMPから認定されているかどうかもチェックした方が良いです。

GMPとは

有効性、安全性、高品質の安定性を保ち、消費者へ保健衛生の向上を約束する基準です。

GMPは現在ではほとんどの国で法令とし、定められています。

日本でもヘルスケア、ヘアケアなどの商品をGMP認定工場で製造しているところも増えました。品質の劣化などは厳しくはじかれるので消費書は安心して買う事ができます。ましてや肌に直接つけるものですから、より新しく、安心な商品を手にするべきだと思います。

育毛剤も購入する前にホームページなどでどのように製造、管理されているか確認してみると良いでしょう。

製造、管理について記載されていない場合は商品に対する企業の姿勢を一度問うてみても良いかもしれません。

どの育毛剤にしようか選べない方に

口コミを見ていると何が良いのかまよっちゃう

ここまでの事を簡単にまとめると、毛髪が生えてきてから、刺激が無く(余分な成分が入っておらず)しっかりと管理された工場で生産された育毛剤を使いましょうという事をお伝えしました。

今まで育毛剤に縁がなく、抗がん剤治療によって急に脱毛を経験したために、初めて育毛剤の事を調べ始めたという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ネットで口コミなどを調べると賛否両論で選べなかったり、信ぴょう性に欠けると感じる方も多いでしょう。そこでここでは少し変わったサービスをしている育毛剤をご紹介します。

おすすめの育毛剤とは?

抗がん剤治療による脱毛は、急激な脱毛と発毛を繰り返すため、頭皮や身体に大きな負担をかける事はお分かりいただけたと思います。

通常の薄毛対策として育毛剤を選ぶ際、男性用AGAなのか、女性用FAGAなのかで成分配合が変わります。

男性用のAGA育毛剤の多くは、発毛のため「ミノキシジル」という成分が配合されている事が多いのですが、この成分は女性が使用しても安全であるという臨床検査が行われていないため、未だ女性に対して推奨されていません。

濃度が低ければ問題ないという声もありますが、成分によって女性の使用が禁止されているものがあるので安易に選ばないようにして下さい。

また、心臓病や低血圧の方も使用禁止の育毛剤があるので注意が必要です。

そうなると、数は少ないですが抗がん剤治療後専用の育毛剤しかないような気がしていました。

色々な育毛剤を調べても、がん治療後に使用して良いのかの説明がないものが多く、また、自分がどのような体質であるかを把握している方も実際とても少ないと思います。

非常にデリケートな問題であり、デリケートな時期なので自分に合う育毛剤を手に入れたいと誰しもが思う事でしょう。そんな中、オーダーメイドできる育毛剤を見つけましたのでご紹介させていただきます。

育毛剤もオーダーメイドできる時代が到来

株式会社ダブルヘリックスという会社から発売されている「Persona(ペルソナ)」という育毛剤です。

こちらは遺伝子検査付き育毛剤で、検査結果に基づきその方に最適な育毛剤を調合し、検査結果のレポートと共に送られてくるシステムです。

遺伝子検査は簡単で、申し込み後キットが届いたら口の中の細胞(頬の内側の細胞)を綿棒で採取し送り返すだけです。薄毛になりやすいのか?またどのような対策を推奨するか?など知る事ができます。詳しくはこちらをごらんください。

【公式】株式会社ダブルヘリックス「Persona(ペルソナ)」

ホームページを見ると、全体的に男性らしい雰囲気にまとめられていたので、女性はオーダーできないのかと思いましたが、どちらも対応可能でした。

そして肝心の抗がん剤治療による脱毛のケースについて記載がなかったため、その旨をメーカーに実際問い合わせてみました。

非常に分かりやすく丁寧でしたので、そのまま引用いたします。

癌だけでなく、炎症等軽度な症状も含め、"使用しても問題ない"と明言するのは難しいのですが、化粧品、医薬部外品に類するものは、薬品ほど人体への影響が大きくありませんので、比較的副作用の心配は少なめです。

しかし、少しでも異常を感じられたら、かかりつけのお医者様に相談されることを強くお勧めいたします。

抗がん剤による脱毛のメカニズムは完全には解明されておりませんが、多くのお医者様の見立てでは、抗がん剤によって毛乳頭細胞、毛母細胞が破壊された影響だと考えられています。

大半のケースでは、毛乳頭細胞、毛母細胞が再生され、約2~3カ月程度で毛髪が生えてくると言われており、育毛剤は、この毛乳頭細胞、毛母細胞の活性化に役立ちます。

ここがポイント!

ペルソナでいうと、すべての遺伝子タイプの育毛剤に、発毛幹細胞、及び毛乳頭細胞を活性させるリデンシル、毛乳頭細胞増殖、コラーゲン産生促進効果のあるセキセツソウ抽出エキスを配合しておりますので、毛乳頭、毛母細胞の再生、活性化のお役に立てると考えています。

という事でした。

そしてオーダーメイドの育毛剤は、検査結果だけで調合せず、個人の要望にも答えてくれるとの事でした。

その場合は「お客様センター」への連絡が必要になります。

ある特定のアレルギーがある場合その成分を除く事、また抗がん剤治療後に使用したい旨を伝えれば、検査の判定に加え、希望のタイプの育毛剤を選定してくれます。

極力低刺激な育毛剤がほしいなど、お客様センターへ伝えれば、よりオーダメイド感が高まります。

遺伝子の傾向を元に、現在の状態まで加味して自分だけの育毛剤をブレンドしてくれるというのは非常に安全性が高いと思います。

お値段は少々はりますが、効果の出ない育毛剤を使う事やクリニックへ足を運ぶ事を考えたら価値があるのではないでしょうか?

まとめ

抗がん剤治療後の脱毛とひとくちに言っても、どんなお薬でどれくらいの期間治療したのか、またそれぞれの体力面や遺伝的傾向など人それぞれでパターンに当てはめる事がとても難しい事柄です。

がん治療も随分と研究がすすみ、新しい技術が増えています。抗がん剤治療も髪が抜けないと言われる薬が出てきているそうです。しかし、従来の治療が主となっているため、脱毛で悩む方はまだまだ減りません。

一時的な事と言われても、体験中は楽観的に過ごすのが難しいでしょう。

けれど、精神的に少しでも安らげるよう、ウィッグや帽子でカバーし、いつかまた色々なヘアスタイルができると希望を持ち続けていただきたいと思います。

シャンプーや育毛剤は小さな努力としてほんの少し、日常で意識されると良いと思います。ぴったりな商品が見つかる手助けになれれば幸いです。

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