AGA対策(進行度別)|現役医師インタビューまとめ

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『今までいくつか市販や通販の育毛剤を使ったけど思ったような効果が得られなかった』
『集中的なケアでなるべく早く効果を実感したい』

こんなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?

今回は化粧品や医薬部外品の育毛剤ではなく、医薬品として認められたお薬でしっかり治したい方や自身のAGAに合った最適な処方を知りたいという方のために少しでもお力になれればと思い、進行度別におすすめする医薬品の育毛剤をご紹介していこうと思います。

また今回の記事は主に男性型脱毛症にお悩みの方に向けた内容となっています。

女性の壮年性脱毛症やその他の脱毛症は対象外となっていることをご了承ください。

この記事を書いたのは?

ヘアケアマイスター
大田原 宏

ヘアケアマイスターの大田原と申します。

本記事は薄毛に悩む男性諸君のために、自身がどんなタイプの薄毛か理解した上で進行度別にどの育毛剤だったら、効果が期待できるのか紹介しています。

もちろん、その育毛剤の利点ばかりではなく、『副作用』や『注意点』についても詳しく解説しているので、正しい知識を身につけ、後悔のないAGA対策を行い、薄毛に悩まない生活を目指して下さい。

また、最近注目されている「HARG療法」という、新しい薄毛の治療法についても紹介しているので必見です!

将来に備えてのケアならリスクのある医薬品は避けるべき

将来の自身の姿は男性であれば誰もが気になるものです。特に家系に薄毛の親族の方がいればなおさら気になりますよね?

しかし、気にするあまり最初から強力な医薬品を使用することはおすすめできません。最近では化粧品や医薬部外品に分類される育毛剤にもかなり有効な商品も次々と発売されています。

そしてその多くが副作用の認められない非常に人体に対して安全で女性も気軽に利用できるものとなっています。

決して強要するつもりは全くありませんが、本記事をご覧になる前にぜひその選択肢もあるということを頭の片隅にでもしまっていただけると幸いです。

医薬品のリスク

医薬品には信頼性の高い効果に比例するようにそれ相応のリスク(副作用)があります。しっかりとその副作用を理解したうえで細心の注意を払って使用することで大きな効果が期待できます。

しかし、どうしても最初は注意を払うものの数ヶ月経つとうっかりしたミスを犯してしまいがちのため、定期的にリスクにしっかりと目を向けて再確認することが非常に重要です。

中でもホルモンに直接働きかけるタイプの医薬品(フィナステリド・デュタステリドなど)は大切なパートナーやご家族などに思わぬ不幸を招いてしまう場合があります。

私の周囲には薄毛を気にするあまり若いうちから医薬品の発毛剤を使用して体に異常をきたしても無理をして使い続けた結果、湿疹がひどくなり荒れて頭皮がボロボロになってしまった方がいます。

その方も現在は使用を中止して皮膚科を受診し的確な治療のお陰で改善されましたが、無理した結果とても後悔することになってしまいました。

医療品は用量・用法を守り、保管場所もしっかりと確認の上、ご使用下さい。

薄毛(AGA)の種類

AGA(男性型脱毛症)には主に3種類のタイプがあります。

タイプ別に薄くなっていく部分に違いがありますが、タイプで治療方法が変わることは稀です。基本的な根本治療は同じになります。

M型

剃り込み部分から次第に後退していき、毛髪の生え際がM字に見えるタイプ。

ドラゴンボールなどに登場する孫悟空のライバルベジータさんをイメージするとわかりやすいでしょうか?

AGA(男性型脱毛症)は、髪の成長期を短くする男性ホルモンのジヒドロテストステロンが主な原因となりますが、このジヒドロテストステロンを生成するのに必要な5αリダクターゼ2型という酵素が顔の生え際に多い人はM字になりやすいといわれています。

じつはAGA治療をする上ではかなり厄介なタイプです。

何故M字や生え際の薄毛が治療しづらいといわれるのか?

理由の一つとして、顔回りの頭皮の血行の問題があります。

顔回りなどの生え際は頭皮の他の部分と比較すると、血管そのものの数が非常に少なく、血行不良が起こりやすい傾向にあります。

また、頭皮の皮下組織には帽状腱膜と呼ばれる腱膜があり、これが老化に伴って硬くなってくることでさらに血流が悪くなる場合があります。

人によってある程度の個人差はありますが、ほとんどの場合、他の部分と同様の薄毛治療を行っていても、このような原因で血行不良が悪化して、医薬品の効果が出にくくなる場合があります。

O型

生え際やそりこみからではなく頭頂部から薄くなり、後ろから見るとO字に見えるタイプです。

芸能人ではお笑いコンビのフットボールアワーの岩尾さんが該当します。

M字タイプとは異なり5αリダクターゼ2型が顔の生え際ではなく頭頂部に密集しているタイプになります。

気にしていなければ気づきにくい部分になるため自分では発見が遅れやすいため、周囲の人の方が気づくのが早いかもしれません。

指摘されてから気づく事も多いタイプになります。

MO型

上記2つの要素を持つ複合型のAGAです。

両方の進行にしっかりとケアをする必要があるため、この3種類中では最も厄介なタイプと言えるでしょう。

薄毛進行度別おすすめ医薬品

本来AGA治療機関などではAGAの進行度合いをハミルトン・ノーウッド方式という7~9種類ほどの分類で表すことが多いのですが、あまりに細かい話になってしまい本来の目的から逸脱するために、分かりやすさを重視して下記の3種類についてご紹介していきます。

《初期》 フィナステリド製薬

このタイプの方におすすめ

AGA治療薬としては世界で初めて製品化されたお薬です。現在では70ヵ国以上で承認されていて、世界ナンバー1のシェアを誇る信頼性のある医薬品です。日本では主にプロペシアという名前で製品化されており、AGA治療機関で処方されます。

主な効果と作用

男性型脱毛症の根源的な要因である、ジヒドロテストステロンの生成を抑制できます。

ジヒドロテストステロンは通常の男性ホルモンのテストステロンと5αリダクターゼ2型が結合することで髪の毛の成長に不可欠な毛母細胞の働きを阻害してしまうジヒドロテストステロンに変貌を遂げてしまいます。

その結合を阻害できるのがフィナステリド製薬の効果となります。

ガイドラインに記載されている効果としては主に「男性型脱毛症の進行の遅延」と記載があり、この表記からもわかるように、AGAに対する効果はありますが、劇的な変化を期待できるものではなく、あくまで進行の抑制になります。

そのため進行したAGAには単体での効果はあまり認められていません。ですが初期症状であれば話は変わります。

まだ完全に休止していない頭皮の状態であれば十分に期待のできるお薬のため、しっかりと毎日の服用を継続することで改善に向かうことができます。

日本皮膚科学会の調査ではAGA初期の男性の1年の服用継続で少しでも改善が見られた方の割合が約60%、2年以上の服用ではその割合は80%ほどとなっています。

このことからも初期のAGAとはいえ治療にはそれなりの長期継続が必要ということが解ります。

副作用と注意

総合的な副作用の発症率は大体5%ほどとなっています。

臨床試験のデータなどからは、フィナステリド1mgの服用での副作用に関しては

  • 胃部不快感
  • 性欲減退
  • その他男性機能の低下

などが確認されていますが、プラセボ(偽薬)の臨床試験のデータとほぼ同様という結果が出ており、臨床試験のデータ上では副作用の危険性は極めて低いということが解ります。

それでも万が一、何かしらの副作用を感じる場合には直ぐに服用を中止して下さい。

フィナステリドはおよそ24時間ほどで体内から排出され正常に戻る見込みですが、献血などにも1ヶ月間ほど空けなければ参加できないなどの制約もあるように、完全に体内から排出されたと断言できるにはそれなりの時間が必要となります。

《中期》ミノキシジル+フィナステリド製薬

このタイプの方におすすめ

ミノキシジルは、血管拡張としての作用によって高血圧の薬として使用されていました。その治療工程の中で副作用の中に発毛効果が認められたため、アメリカで男性型脱毛症の治療薬として用いられるようになり、それが日本でも使用されるようになりました。

ミノキシジルは頭皮に直接塗布するタイプと服用するタイプの2種類があります。

頭皮に塗布するタイプのミノキシジル外用薬は、テレビやCMなどで有名なリアップや香取慎吾さんがイメージキャラクターを務めるアンファーのスカルプDメディカルミノキなどがありドラッグストアでも気軽に購入できます。

海外ではRogain(ロゲイン)の名前で販売されている血管拡張薬として厚生労働省だけではなく多くの国々で認可を受けている信頼性の高い治療薬です。

ちなみに、AGA治療機関ではどちらも担当医と話し合い、濃度なども含めてお好きな方を処方してもらえます。

主な効果と作用

ミノキシジルが持つ血管拡張作用によって毛細血管が拡げられ、血流がよくなることで毛乳頭細胞が栄養や酸素をたくさん取り込むようになります。

そうすることで毛乳頭細胞は、栄養や酸素を毛母細胞へと送り、それをしっかりと吸収して毛母細胞が活性化されることで盛んに細胞分裂をして健康な髪が生成されるようになります。

また、ミノキシジルは毛母細胞に直接的に働きかけて髪の成長を促すという研究報告もあるので、上記で説明した通り、フィナステリド製薬との違いとしてAGAの進行遅延ではなく発毛が主な役目となります。

ですのでAGAの原因であるジヒドロテストステロンの生成を抑制する作用は全くありません。

そのため、ミノキシジルの使用だけでAGAの進行を完全に止める効果はないと言えます。

AGA治療機関では、抜け毛の抑制に効果的な、フィナステリド製薬などの薬との併用をすることでAGAの原因であるジヒドロテストステロンの生成を抑制してミノキシジルで発毛の促進を促す方法を勧められます。

副作用と注意

血管拡張作用による血流の上昇から頭皮のかゆみ熱感フケなどが最もよくあらわれる副作用となります。

また外用薬としてのミノキシジルを使用する場合に限り、使用されているプロピレングリコールなどに対するアレルギー反応を起こしてしまう方もまれに見受けられます。

ちなみに私自身も以前に使用経験があり、その過程で現れた症状は激しい痒みニキビのようなものが無数にできてしまいました

使用をやめると数週間程度で落ち着きましたが、少なからず肌の敏感な方は注意が必要になります。

また降圧剤との併用は禁忌されています。

要注意!

もう15年ほど前の話になりますが、ワイドショーなどで話題となったリアップを使用中の方が循環器系の病気で亡くなったというニュース

内容成分に対する因果関係は認められませんでしたが、実際に循環器系の副作用の報告も多くあります。

この件に関しては厚生労働省でも可能性は極めて低いと言われていますが、関係なしとの断言された発表はありません。

リアップの発売元である大正製薬のホームページにもこの件に関しては詳細に記載されていますので気になる方は調べてみてください。

大正製薬「リアップに関するマスコミ報道について」

《後期》 ミノキシジル+ディタステリド製薬

このタイプの方におすすめ

ミノキシジルについては上記で説明した通りですが、このレベルだと外用薬より内服薬のミノキシジルがおすすめです。また、有効成分の配合量も少し高めを意識した方が良いかと思います。

ディタステリドは何となく名前からもわかる通りフィナステリド製薬と非常に似た特性を持った医薬品になります。イメージとしてはフィナステリドの上位互換です。

2015年に厚生労働省に認可されてからまだほんの数年の新しい新薬ですが、フィナステリド製薬よりも高い発毛実績と日本より早くAGA治療薬として使用されているお隣の韓国での実績もあり、発毛効果はしっかりと確認できます。

主な効果と作用

フィナステリド製薬同様に男性ホルモンのテストステロンと5αリダクターゼ2型が結合することを阻害して、ジヒドロテストステロンの生成を抑制してくれます。

しかしこれだけではなく、実は5αリダクターゼ2型とは違った5αリダクターゼ1型というものが頭皮には存在しています。

正直あまりこの1型に関しては脱毛との因果関係は認められていないのですが、こちらの活動も抑制してくれるのが大きな違いとなります。

因果関係が認められていないからと言っても実際の臨床試験ではフィナステリド製薬よりも高い育毛効果が実証されているので、効果は間違いありません。

副作用と注意

主な副作用についてもフィナステリド製薬とほぼ同じになりますが、臨床試験では副作用の発生率が10%ほどと高くなっており、効果の上がった分、リスクも上がったと言えるでしょう。

その点をしっかりと理解したうえでのご使用をお願いします。

中期から後期のAGAであれば頭皮の再生療法HARG(ハーグ)も

みなさんHARG療法という頭皮の再生療法があるのはご存知でしょうか?

HARG療法とは?

脂肪幹細胞由来の成長因子の働きで、毛髪の成長の根源である毛母細胞と幹細胞の再活性化することで頭皮を若い状態にする治療法です。

ほとんどの場合、原因に関わらず、発毛・育毛の両方を促進できるため、幅広い年齢層に対して高い有効性を発揮できる比較的新しい薄毛治療です。

治療方法としてはカクテルと呼ばれる、成長因子を豊富に含むタンパク質から生成した有効成分を複数ブレンドした薬剤からなり、様々な症状や年齢に応じたアレンジを加えることで一人一人にあったオリジナルの薬剤を調合できるので既存の医薬品を使うのと比べて大きな効果が期待できます。

上記でご紹介した進行度別のおすすめ医薬品を過去に使用しても効果が出なかった方や体質に合わないため、途中で使用を諦めてしまった方など,生えなくなってしまった毛穴からでも毛髪が生えるように頭皮を再生することで、しっかりと毛髪が生えていた時の健康な頭皮の状態に戻す再生治療です。全く違ったアプローチで行う施術ということもあり十分可能性を期待でき、一般的には治療しづらいと言われるM字の生え際部分も効果的に治療できます。

理由としてAGAは、人によってその進行速度は異なりますが、早期に治療を開始しない場合、フィナステリド製薬などのAGA進行の遅延程度の効果では対応ができなくなってしまいます。

そのため、薄毛治療を継続していても、前頭部の気になる生え際の薄毛が十分に改善されず、治療効果をあまり感じられない場合があります。

HARG療法は再生医療によって毛根にある成長因子を活性化させることで発毛を促すもので、もともとの頭皮の部位ごとに持っている発毛状態の差によって、生え際やそりこみの発毛までに時間がかかってしまう場合がありますが、どの部位であっても高い発毛効果があります。

HARGの注意点

HARG療法は比較的新しい治療法になりますのでクリニックごとの技術力に差があります。

中にはカクテルの注入場所を間違えてしまい、頭頂部にボコッとしたふくらみを作ってしまうクリニックもあります。

タンパク質からできているので長い時間をかければ体に吸収されるのですが、AGAの治療を受ける薄毛の方ですと結構目立ってしまいます。

経験の浅いクリニックでは人的ミスが起こりやすいとの報告も多々ありますのでクリニック選びは慎重に行うようにしましょう。

また、HARG療法は効果なしという口コミも多々見受けられますが実は、HARG療法はクリニックによって値段も大きく違い相場に比べて安いところには注意が必要です。

本当は一度に使用しなければいけない量を2回に分けて使用したり、少し薄めて使用するなどコスト削減を目的にしてしまうクリニックも少なくありません。

更には独自配合で作ったオリジナルカクテルで本来のHARGカクテルとは全く違った成分を使用しているところやHARGという名前を使って実際に行っていることは全く違うクリニックもあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は進行度別にAGA(男性型脱毛症)についてのおすすめ治療法を書かせていただきました。

医薬品には確かな効果が認められていますがその反面、副作用があることも理解していただけたと思います。

少しくどいようですが副作用に関しては本当に後悔の無いように何度もご確認をお願いいたします。

ちなみにですが、これらの内服薬によるAGA治療薬は服用をやめてしまうと元に戻ってしまうので注意が必要です。

今のところ使用を中止しても継続的な効果が認められている医薬品はありません。だからこそしっかりと長い期間使用できるように副作用を見極めて使用することが必要となります。

ちなみに最後に紹介したHARGについてですが、こちらは再生療法ですのである程度頭皮が活性化したら治療を中止しても継続的に効果を発揮します。

ですが、その後ずっとというわけではなく、また今まで同様に徐々に老化して発毛効果は弱くなってしまいます。

これらも踏まえたうえで自身に合ったAGA対策を行って、またヘアスタイルを楽しめるように頑張っていきましょう!
  • B!

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