摂取量に注意!亜鉛と薄毛の関係性

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亜鉛と薄毛の微妙な関係|摂り過ぎにも不足にも注意

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亜鉛は薄毛の強い味方であり、亜鉛さえ摂取していれば薄毛は改善できる
なんて話を聞いたことがある人もいることでしょう。 逆に、亜鉛ばかり摂取していると薄毛が進行するという話もネット上にはたくさんあります。 薄毛が気になる人は、どちらが本当なのか気になって亜鉛を摂取して良いものかどうか迷ってしまいますが、実はどちらも本当のことなのです。

ここがポイント!

亜鉛によって薄毛が改善するか進行するかは、その摂取量が密接に関係しています。
そこで、ここでは亜鉛が薄毛の改善に良い理由と、亜鉛で薄毛が進行してしまうと言われる理由について深く分析し、薄毛改善に最適な亜鉛の摂取について見ていきましょう。

この記事を書いたのは?

毛髪診断士 佐渡山宗平

毛髪診断士 佐渡山宗平と申します。 薄毛は誰にも起こり得ることです。 この記事では、薄毛に悩む方が亜鉛を薄毛改善に有効に活用するために知っておくべき知識と、具体的な対策をお伝えしていきます。 薄毛が気になって亜鉛サプリをはじめてみようかと検討している方に熟読していただけたらと思います。

亜鉛が薄毛の改善に良い理由

健康な髪の毛が生えるには頭皮が健康であることが前提です。いくら髪の毛に良い栄養を摂取しても、頭皮が不健康な状態では髪の毛は生えてこないのです。 その頭皮の健康に大きくかかわるのが亜鉛です。
亜鉛が体内で不足すると、免疫力が低下して感染症や皮膚炎のリスクが高まります。
そんな不健康な状態の頭皮では健康な髪の毛は生えてこないので、頭皮の状態を健康に保つために亜鉛が重要な栄養素と言われているのです。 亜鉛の具体的な働きは、
  1. ケラチンの生成
  2. 薄毛を促進する酵素の抑制
の2つがあります。それらについて詳しく見ていきましょう。

① ケラチンの生成に欠かせない

ケラチン生成の仕組み

髪の毛はタンパク質からできていますが、具体的にはケラチンと呼ばれる成分がその90%以上を占めています。

そのケラチンを生成するのに必要なのが亜鉛です。
タンパク質はビタミンBによってアミノ酸に分解され、亜鉛によってケラチンへと作り変えられます。

ここがポイント!

つまり、亜鉛が不足すると髪の毛の材料であるケラチンが生成されにくくなってしまうため、薄毛が進行しやすくなるのです。

② 薄毛の原因となる酵素の働きを抑制する

男性ホルモンが髪の毛の大敵であるかのように言われることがありますが、実は、男性ホルモンそのものが薄毛を進行させるわけではありません。 男性ホルモンの一種であるテストステロンは、骨や筋肉を強くして精子を生成するなど男性らしい体つきを作るのに重要な物質ですが、このテストステロンを補助する酵素にリダクターゼがあります。 この酵素の働きが活発になりすぎると、テストステロンと結合して薄毛を進行させるのです。
亜鉛にはこの酵素を抑制する働きがあります。
ボディビルダーが全員薄毛ではないように、テストステロンが活発に分泌されているからといって薄毛になるわけではありません。

ここがポイント!

体内の亜鉛量が十分にあり、テストステロンと結びついて薄毛を引き起こすリダクターゼを抑制させているのなら薄毛にはならないのです。

亜鉛だけでは薄毛は改善しない

薄毛予防に亜鉛が大切な成分だということはおわかりいただけたでしょう。しかし、亜鉛だけでは薄毛は改善しません。それについて詳しく説明していきます。

亜鉛が毛髪を生成しているわけではない

亜鉛が頭皮の健康に欠かせない栄養素だと言っても、亜鉛さえ摂取していれば髪の毛が生えてきて薄毛が改善されるわけではありません。
もちろん亜鉛の不足は薄毛改善にNGです。どんなに育毛に気をつけて育毛剤や育毛シャンプーを使ったとしても、亜鉛が不足していれば髪の毛は生えてきません。 ただ、上で説明したとおり、亜鉛の働きはケラチンの生成と、薄毛を引き起こす5αリダクターゼという酵素を抑制することです。 要は、育毛において亜鉛は補助的な役割を果たしているだけとも言えるでしょう。

ここがポイント!

亜鉛自体が毛髪を新たに生成しているわけではないということを覚えておいてください。
また、薄毛の原因は人によってさまざまなので、亜鉛が足りていても他の栄養素が不足していたり血行が悪かったりして薄毛になることはあります。

過剰摂取による副作用に注意

亜鉛は髪の毛にとって必要不可欠な栄養素ですが、過剰に摂取するのも髪の毛にとって良くありません。
髪の毛どころか健康自体を損なうこともあるのです。
亜鉛の過剰摂取による主な症状として、
  • 頭痛
  • 吐き気
  • めまい
  • 発熱
  • 倦怠感
などがあります。
症状が重くなると、神経障害や腎臓障害を引き起こす危険性もあるのです。
とはいえ、多少過剰に摂取しただけでは体の不快感やだるさぐらいの軽い症状で、自分では亜鉛の過剰摂取と気づかないこともよくあります。

注意!

特に、もともと胃腸が強くなく、胃もたれなどを起こしやすい人の場合、亜鉛が原因と気づかず過剰摂取になっている可能性もあるため注意してください。

亜鉛のせいで薄毛が進行することも

亜鉛の過剰摂取にはさまざまな副作用があるとお伝えしましたが、薄毛に悩む人にとって最も恐ろしいのが、亜鉛の過剰摂取による脱毛です。
薄毛を改善しようと頑張って亜鉛を摂取していたのに、それが逆効果となってしまうことがあるわけです。

ここがポイント!

過剰に摂取された亜鉛は、体内で銅の吸収を阻害します。それによって体内で銅が不足した状態になり、いわゆる銅欠乏症が起こるのです。
銅欠乏症になると鉄の吸収も正常にできなくなり、貧血が起きやすくなってしまいます。貧血になると血行も悪くなってしまうため、頭皮に運ばれる栄養分も足りなくなるのです。 頭皮に十分な血液が流れ込まなくなり、その血液によって運ばれる栄養素も届かなくなれば、その結果、髪の毛の生成に支障が出て薄毛が進行するのは当然のことです。

適切な亜鉛の摂取量を知ろう

薄毛改善に亜鉛は必須の栄養素ですが、過剰摂取も恐ろしいことがわかりました。そこで、亜鉛の適切な摂取量を知っておきましょう。

1日当たりの亜鉛の摂取量

厚生労働省の発表する「日本人の食事摂取基準」によると、亜鉛の適切な1日の摂取量以下の通りです。 亜鉛の適切な1日の摂取量
摂取量 上限摂取量
成人男性 10mg 40~45mg
成人女性 8mg 35mg
この適切な摂取量は推奨される量であり、これ以上摂取したら体に悪影響が出るというわけではありません。 なお、妊娠中や授乳期の女性は摂取目安量より多めに亜鉛を摂ることが大切ですが、それでも上限を上回らないように注意しなければなりません。

日本人の食事摂取基準(2015年版)

亜鉛は吸収率が悪い

亜鉛の過剰摂取は恐ろしいことをお伝えしてきましたが、通常の食事を取っている人ならば、過剰摂取になることはほぼないでしょう。

ここがポイント!

というのも、亜鉛は体内への吸収率がとても悪い成分だからです。体内に摂取した亜鉛のおよそ70%は、そのまま体外に排出されてしまいます。
ですから、どんなに亜鉛が豊富に含まれる食べ物をたくさん食べたとしても、食事からだけで1日の上限量を上回ることはほぼあり得ないことでしょう。 たとえば、牡蠣は亜鉛を豊富に含んだ食べ物として有名ですが、牡蠣に含まれる亜鉛で過剰摂取になるには、大ぶりの牡蠣を毎日15個以上食べなければなりません。どんなに牡蠣が好きな人でもちょっと考えにくいことですので、食べ物で亜鉛の過剰摂取を心配する必要はないでしょう。

亜鉛が不足しがちな人とは

亜鉛の過剰摂取を心配するより、ほとんどの人は不足しないことを考えるべきです。
上記の通り亜鉛の吸収率はとても悪いので、亜鉛が多く含まれる食べ物を意識的に取っていたとしても、十分な量の亜鉛を摂取することは簡単ではありません。 食生活が乱れがちな人だと、まず間違いなく亜鉛が不足します。 厚生労働省の国民健康栄養調査によると、平均的な亜鉛の摂取量は20歳以上の男性が8.9mg、女性が7.4mgとあるように、半分以上の人は推奨される量より不足しているのです。

厚生労働省 平成29年「国民健康・栄養調査」

ここがポイント!

ただでさえ不足しやすい亜鉛ですが、食生活が乱れていたりお酒をたくさん飲んだりする人は確実に不足します。
特にアルコールは亜鉛の吸収に悪影響を及ぼすため、薄毛改善を目指すなら、できればお酒をやめてしまうのがベストでしょう。完全にやめなくても控えめにすることをおすすめします。

亜鉛を効率良く摂取する方法

ここからは、亜鉛を効率よく摂取するための食生活やサプリメントについてお伝えしましょう。

バランスの良い食習慣

亜鉛を十分に摂取するには、体外に排出される亜鉛を少なくして効率良く吸収されるようにしなければなりません。
そのためには、規則正しい食生活が一番です。
私たちが普段口にしているご飯やパンにも亜鉛は豊富に含まれています。
  • 米100g当たり0.6mg、
  • パン100g当たり0.8mg
の亜鉛が含まれていますから、主食と副菜のバランスがしっかり取れた食事を取っている方は合格です。

ここがポイント!

しかし、注意しなければならないのがダイエット中の方で、亜鉛を豊富に含む穀類や肉類の摂取が少なくなりやすいことに気をつけてください。
無理な食事制限によるダイエットはやめましょう。

亜鉛が豊富に含まれる食べ物

主食と副菜のバランスが取れた食事を1日3食きちんと取っている人なら、亜鉛が深刻に不足することはないでしょう。 ただ、食べ物の種類によっても亜鉛を多く含むものとそうではないものもあるので、薄毛改善のために亜鉛摂取を考えるのであれば、そういった食べ物を意識的に食べるようにしましょう。 亜鉛を豊富に含む食べ物
魚介類 牡蠣・毛ガニ・煮干し
肉類 牛や鳥のレバー・ビーフジャーキー
海藻類 わかめ・こんぶ・ひじき
植物性の食べ物 豆類・ごま・ナッツ類
これら亜鉛を豊富に含む食べ物を意識的にメニューに取り入れて、主食と副菜のバランスが良い食事を取っていれば、亜鉛不足の心配はありません。

ここがポイント!

亜鉛が豊富だからと1種類の食べ物ばかり食べるのではなく、毎日メニューを変えて亜鉛以外の栄養の偏りがないように、バランスの良い食事をすることが薄毛改善にとっては大切です。

亜鉛サプリで補給

毎日3食きちんと栄養バランスの取れた食事が難しいという方は、亜鉛サプリで補給するのも一つの方法です。 特に、コンビニ弁当やインスタント食品が多い方は亜鉛が不足しがちですので、しっかり補いましょう。 もちろんベストなのはバランスの良い食事から亜鉛を摂取することですが、食生活を変えなければならないというのがストレスとなっては、かえって薄毛対策には良くありません。 適切に使用すればサプリも有用ですので、食事が乱れがちという人は生活に取り入れてみましょう。 なお、サプリは薬ではないため服用方法に決まりはありません。 1日のどのタイミングで飲んでもかまわないのですが、より効果を高めたいのであれば、やはり食後がベストです。
食後は胃が活発に働いているため、サプリに含まれる栄養素が吸収されやすくなっています。
1日1回であれば夕食後、1日2回であれば朝食後と夕食後に分けて飲むと良いでしょう。 ただし、あくまでサプリは補助的な役割でしかありません。いくら亜鉛が豊富に含まれるサプリをたくさん飲んだところで、食事からしっかり栄養が摂取できていないと効果は半減です。

ここがポイント!

サプリ以上に食事が重要であると覚えておいてください。

まとめ

以上、亜鉛と薄毛の関係性について詳しく見てきました。
亜鉛が薄毛改善にとって必要不可欠な栄養素であると同時に、過剰摂取によって健康被害をもたらすことはお伝えした通りです。
場合によっては亜鉛の過剰摂取により脱毛を引き起こすこともあるため、サプリの摂取にはくれぐれも注意して下さい。 食事からだけで亜鉛の過剰摂取は起こりにくいですが、サプリでは簡単に上限以上の量を飲んでしまえます。

注意!

サプリは薬ではないからと軽く考えて、用法用量を守らずに飲んでいると、髪にも健康にも悪影響を及ぼすことになるので要注意です。
亜鉛が薄毛改善にとって大切な栄養素だといっても、亜鉛が髪の毛そのものを作り出すわけではありません。

ここがポイント!

新鮮な食材がなければプロの料理人でも料理が作れないように、亜鉛だけでそれ以外の栄養素がなければ薄毛は改善しないのです。
また、食生活を改め亜鉛をしっかり摂取するようになっても、すぐに効果が表れるわけではありません。
細胞が入れ替わるのに3ヶ月は必要ですので、薄毛の改善だけでなく健康的な生活への第一歩として、長い目で食生活の改善を続けていくことをおすすめします。

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